admin | 2011年4月13日
あっという間に骸に変わり果てた二人の男を一瞥する事もなく、死神は頬に着いた返り血を静かに親指で拭った後、重い扉を開く。 薄暗く、天井の高い、だだっ広い部屋。 奥の壁は総て硝子張りになっていて夜の街を一望出来る。この部屋からは最高の夜景を眺める事が出来そうだ。 そして、その手前には大仰なアンティーク机が置かれていて、恰幅の良い金持ちそうな男がその机に向かって偉そうにしている。 「誰だ?」 その男はそう問う。 ……この男が今日の標的(ターゲット)だ。 鴉は限りなく無表情に近い薄笑いを浮かべながらその男に近付いて行く。威哥王 「お届け物ですよ……」 歩み寄る鴉は徐に懐に手を入れて拳銃を取り出そうとする。同じ闇社会の住人である金持ちそうな男も鴉のその仕草だけで自分の置かれている立場を察したらしい。恐怖で真っ青になった男は目を見開いて狼狽し喚き散らす。 「お、おい! 誰か、誰かいないのかっ!」 男はきょろきょろと辺りを見回している。今の今まで偉そうな態度でふんぞり返っていた男が、何ともまあみっともない姿だ。 「ああ、表の用心棒の事ですか、彼らは眠っていますよ」 多分もう起きませんけどね、と付け足して鴉は机の前で足を止めた。男は座ったまま腰を抜かしてしまったのだろうか、鴉の瞳を凝視したまま逃げる事もせずに、全身を震わせながら椅子に座ったままでいる。まるで蛇に睨まれた蛙だ。 鴉はそれこそ蛇のようにゆっくりとした動作で男の眉間に銃口を当てる。 男はまるで幼児(こども)のように泣きじゃくり命乞いをする。金ならいくらでも払う、だから命だけは助けてくれ、お願い、お願いします……。そのような事を延々と繰り返している。しかし漆黒の死神の胸には全く伝わらない。鴉はその様を無表情に冷たく凝視(みつめ)ているだけだった。 「金なら依頼者から貰う……俺は依頼された仕事をするだけだ」 「倍……否(いや)、その三倍払う!だから殺さないでくれぇ」 男の顔は冷汗と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっている。鴉は感情の籠らない機械のような漆黒の瞳で男を見下ろした。 「それを……最期の言葉にするか?」 まさに死神のような冷たい台詞を口にして鴉は引き金に掛けた人差し指に力を込める。 男は痙攣するようにぶるぶると首を横に振り、生簀(いけす)の鯉のように口をぱくぱくと開閉して何かを言おうとしている。時間稼ぎだろう。誰かが助けに来てくれるとでも思っているのだろうか。 「ま、ま、待ってくれ」 鴉は小さく溜め息を吐く。 ……全く往生際が悪い。 この死神は今まで数々の人間の死に触れてきた。大概の人間はこのように必死に命乞いをするのだが、その姿を見る度に呆れて仕事をする気が失せる。どうせ自分が死ぬという事は変わらないのに。 そして時間を稼ぐ為に殆どの者は次に質問をする、それも本当にどうでもいい事を。 「最期に……一つだけ教えてくれ」 ……ほら、来た。 うんざりする。 この場合、質問の内容にも種類(バリエーション)が少なく、大体の人間は依頼人を訊いてくる。しかしこの金持ちそうな男はもうその質問を消化している。そうなると質問の内容はかなり限定されてくる。精力剤
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admin | 2011年3月24日
荷物を確認する南が、不平たらたらの口調でリンダにそう言いました。無理も有りません。南は大量に買い込んだ物資を全て持たされていたからです。
「ん?何?」
リンダは荷物を指差し確認しながら南の声を聞き流します。性欲剤
「少しは持ったらどうだ……」
「――え、何言ってるの、荷物は男の子が持つって言うのは基本中の基本じゃぁない」
リンダは南の訴えを軽くスルーして、くるりと背中を向けました。そして思い出した様に「ああそうだ」と言って両手を胸の前で合わせました。
「ゼリー飲料買わなきゃね」
リンダはにっこり笑って彼に振り向きます。本当はメイおばさんの料理を食べて貰いたいんだけど、それにはもう少し時間が必要かなと思いました。さっき赤のケトルを選んだ事で、リンダは南の事を、未だ一人立ち出来ない子供であると判断したのです。勿論判断材料はそれだけでは有りません。今迄の行動全てが、その幼児性から来てる物で、わがままなのは『子供の癇癪』だと考える事にしたのです。
確かに勉強は出来る。でも、彼の今はそれだけなのです。頭でっかちで人格が未だ形成されていない子供なのです。彼が自分の牧場に居る期間はあと4か月も有ります。
そして彼女は南を見下ろし信じられないと言う表情で二人に視線を向けて居ます。
「――南……くん?」
リンダは南の悪い顔色が更に悪化した様に感じました。それは錯覚では有りません。そして瞳の色も失われて行きます。
「夏子……」
ただならぬ雰囲気を感じ取って、南の視線を辿り、その視線の先に居た女性の存在を確認しました。
「何……してる……の?」
南に夏子と呼ばれた女性は、ちょっと引き気味に南を怪訝そうな表情で見降ろします。その視線から逃げる様に顔を背けます。
「おまえ、こそ、何やってるんだ、こんな処で……」
「私…私は生活体験学習でこの星で金融システムの構築を手伝ってるの…あなたは?」
複雑な表情を浮かべる夏子に対して南は何も答えませんでした。その妙な雰囲気を察してリンダはゆっくりと立ち上がり、自分の後ろに立つ女性に振り向くと彼女に躊躇いがちに尋ねます。
一方リンダの手は、がさがさでささくれ立って爪も切りっぱなしで化粧っ気が有りません。リンダはそれがちょっと恥ずかしくてぱっと握手して、ぱっと手を引っ込めてしまいました。そして取りあえず笑顔を向けました。
「み、南君も生活体験学習…でしょ?どんな事してるの…」
腫れ物に触る様に状況を尋ねる夏子に対して南は沈黙を貫きます。田舎の牧場で牛を相手に暮らしてるなどとは、恥かしくて言う事が出来ません。
「べ、別に……」
南そう言ったきり夏子を見る事が出来ません。視線は常に、そっぽを向いて居ます。でも、リンダが黙って居ませんでした。彼女はお気楽に夏子にこう言いました。
「南…君は、うちの牧場で農業体験してるんですよ。牛とか相手にしながら…」
リンダがそう言った瞬間、南が突然ぶち切れました。威哥王
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admin | 2011年3月1日
その肢体もスレンダーではあるが出るトコロは出ており劣情を抱かずにはいられない
彼女はいわゆるダークエルフで褐色の肌に白銀の髪、そして深紅の瞳という身体的特徴を持っている。
また容姿もつり目に薄い唇、肩までのショートヘアーと非常に美しく、その肢体もスレンダーではあるが出るトコロは出ており劣情を抱かずにはいられない。
威哥王
恐らく彼女が拐われた理由もそこに起因するのだろう。
俺は彼女の住むダークエルフの隠れ里をに侵入した帝国軍一個中隊の撃退を依頼された。
無論、断ったが。
幾ら近代兵器を持っていても数の暴力には敵わない。
圧倒的な数量に押し潰されるのがオチである。
フィーナはその言葉を聞くなり、絶望と俺に対する失望を顔に浮かべる。
そしてもうそろそろ彼らに三人目が生まれるかもしれないなという時期にさしかかった時、ある五月の晴れた日の夜に、突然耳かきが僕の部屋を訪ねてきた。彼は疲れきった顔をして、僕の部屋に上がりこむなり、居間にあるソファにどさっと倒れこんだ。僕は彼がまともな思考形態を取り戻すまで、床の上に座り込んでじっと黙って待った。しばらくすると彼はゆっくりと起き上がり、非礼を詫びた。耳かきというのは基本的に自分勝手な生き物だけれど、非礼を非礼と知って謝る事も知っているのだ。
「突然すみません。実はあなたに話したい事があってここにきたのですが、なんだか急にめまいがして……。本当に失礼な事をしました」
「別に構わないよ、誰だってめまいくらい起こす。それがたまたま他人の家に上がりこんだ瞬間だっただけだよ」と僕は言った。でも僕にはわかっていた。彼はめまいなんて起こしていないのだ。ただ、彼はなんらかの自体の深刻さについて僕に感じ取ってほしいだけなのだ。
フィーナが言うにはこの村における男女比はおおよそ1対1らしい。
だが、村を見た限り圧倒的に女の遺体が少ないし、子供の遺体も殆ど無いのがわかる。
そこから俺は帝国のもう一つの悪弊に思い当たる。
帝国には『聖教』と呼ばれる一神教の国教がある。
何でも神子族の始祖に当たるらしい神を祀る宗教らしいのだが、これが至ってタチが悪い。
神子族至上主義な上に、全ては神子族に都合のいい戒律に基づいての生活を他種族にも強制する。
中世キリスト教以上の異端審問に魔女狩りと聖職の売買と、問題点を挙げていったらキリが無い。
その中でも最大の問題点が『聖化』と呼ばれる行為だ。
この行為は聖教の信徒が非信徒と、合意したかしないかを問わず、性的関係を持つ事によって体内の『穢れ』を払い聖教の信徒になる資格を与えるというものだ。
聖教の戒律ではこの行為を奨励しており、この様な辺境では日常的に行われているらしい。RU486
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